2nd

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 全てが夢であれば良いのに――そう願っても、現実は目の前に有る。 夢のような世界に足を踏み込んでしまったらしい。 「姫ぇー、起きてる?」  遠くで聞き覚えのある、テンションが高めの声がする。 夢と現実が混ざり合った浮遊感。温まった布団が心地よく身体を包み、私を離そうとしない。 「起きないと……」 「何?」  鳴り響くアラームに気付き瞼を開くと、ベッドサイドからは見覚えのある顔が覗いていた。 その顔を見て、昨日の出来事が全て夢でなかったことを改めて痛感する。 「起きた?」 「……うん」  身体を起こし、まだ重い瞼を擦る。 ――朝に弱い。窓からは日差しが差し込み、部屋を明るく照らす。 「――やばっ!」 「まだ余裕あるよ。朝ごはん、どうする? 食堂で何か貰ってきておこうか?」  ベットから降り、退屈を持て余しているようにも見える零に目を向けると、既にきっちりと身なりは整っている。
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