-夕焼け色の屋上-

2/13
前へ
/49ページ
次へ
     *   *   * それはまるで。 時間が止まったみたいな感覚。 空は真っ赤に染まった夕焼け。 その赤さは屋上を包み込んで、ひとり佇んでいる彼の姿を滲ませている。 その頬を伝う涙だけ透明にきらめいて。 あたしは。 その茜色の人影から、目が離せなくなっていた。      *   *   *
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加