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途端に目に飛び込んでくる夕日の色。
限りなく赤に近いオレンジ。
空に近いせいか、視界が開けているせいか、帰り道で見上げたときよりずっと鮮やかで綺麗に感じる。
あたしは深呼吸をしてから、一歩外へ足を踏み出した。
少しひんやりとした風が、あたしの頬を優しく撫でていく。
だれもいないかな。
ここなら泣けるかな。
泣いても、いいかな。
鼻をすすりながら手すりに近付くと、人の気配がした。
あたしはビクッとして足を止める。
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