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「ちゅーしたい。だめ?」
ぐっと顔を寄せる。彼は携帯から視線を外して僕を見た。
そしてにっこりと笑って僕の眉間に人差し指を付き立てた。
「だぁめ」
あと少しなのに、触れられないもどかしい距離に置かれる。
やだ、したい、ちゅーしたい、ねえ、ちゅーしたい。
むっと頬を膨らまして彼を見る。彼は小さく溜息を吐いて肩を竦めた。
「じゃあ俺がしますから、先輩は何もしないで?」
何も。何もって、ぎゅーも?
そんなの耐えられないと首を横に振ると、じゃあ止めますと言われて口篭る。
ちゅーはしたい。でも何も手を出すことは出来ない。
仕方ない。背に腹は変えられないもんな。
「ちゅー、して?」
彼を真っ直ぐに見つめると、小さく笑った彼がひとつ頷いて唇を重ねた。
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