わんこ先輩とにゃんこ後輩。

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むにっと重なった唇に胸のところがほわっと暖かくなって。 思わず伸ばした手を寸前のところで引っ込める。 触れた時点できっと離れてしまうだろう。我慢我慢。 そう言い聞かせるもむらむらと欲求が沸き上がる。 抱き締めたい、舌絡めたい、もっとくっ付いて体温を感じたい。 でも離れたくなくて、ぐっと堪える。でも、でもなあ。 もやもやと考えていると彼が手を握ってきた。 思わず目を開く。吸い込まれそうなほどに黒い瞳が僕を捉える。 心臓が騒ぐ。呼吸もままならない。好きだと全身が訴える。 「っ、は…」 酸素を求めて口を開くと彼の舌が進入してきた。 歯茎や歯列を舐ったあと、僕の舌と絡み合う。 頭がクラクラして彼の服を掴みそうになるもなんとか堪える。 自分の服をぎゅっと握る。しかし彼の動きは容赦なく僕を攻めた。 力が抜けて、倒れると思ったときには彼に押し倒されていた。 彼に触れられない手が行方もなく彷徨う。 眩暈がしそうなほどに甘く熱い口付けに思考が白濁して。 気が付けば彼の首に手を回していた。 彼が顔を離してはっとする。やってしまった。 慌てて手を離しても手遅れで。しかし彼はにこりと笑った。
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