歪愛…SIDE-A

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 向こうは僕の事を知らない。だけど、僕は向こうの事を知っている。この大学に居れば、そう言う情報は嫌でも入ってくるし、大学で一瞬でもすれ違えば、彼女の事を忘れることはできないだろう。  そんな、町中を歩けば10人の男の内15人が振り返るような女性と、僕はぶつかった。いや、正確には、彼女の持っていたカバンが僕の右腕を直撃したのだ。中にはノートパソコンが入っていたらしく、そのデジタルデバイスの鋭角の不意打ちをまともに受けてしまった僕の右腕は鈍痛を盛大に残してしまう。 「あ、す、すみません……お怪我はありませんか!?」  彼女が必死になって謝ってくる。
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