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普段の僕なら気の利いた一言でもかけて彼女をクスリと小さく笑わせることが可能だったのかもしれない。だが……その日の僕は最高に腐っていた。フラストレーションが最大まで蓄積し、怒りのゲージもそろそろオーバーロードしそうになっていた中で、更に肉体的なダメージが加わった結果。
「うるせぇよ……」
「……え?」
あの時の僕の目は…本気で彼女を殺そうとしている人間の目だった。
「……うるせぇつってんだよこのクソアマ。話しかけんじゃねぇよ。その眼球くり抜いて首斬り落して町のど真ん中で晒そうか?」
「……ごめんなさい。でも、どこか怪我とか…」
必死に食い下がる彼女に、僕は更に最低だった。
「そんな安い謝罪いらねぇんだよ。やりたきゃそこで土下座しろよ。頭踏んでやるから。」
その場に、たまたま他の人間がいなかったのは不幸中の幸いかもしれない。
「はい、かしこまりました。」
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