歪愛…SIDE-A

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「あぁ?」  僕はその言葉に耳を疑った。今、この女はなんと言った?“かしこまりました”?  まるで、服従でもするかのような……圧倒的に目上の存在に屈服するかのように、彼女はそう言った。  両膝をつき、両の手をつき、頭をリノリウムの床につき、彼女は綺麗な形で、土下座を披露して見せた。 「……まことに、申し訳ございません。どうか、これで私の愚行をお許しください。」 「………」  僕はその頭を何の躊躇も無く踏み躙った。そう、それこそ、人として行ってはいけない…最低で、最悪の行為だと、知りながらも……  僕は抗えなかった。自分の中に居る本当の自分……人を虐げたいと言う、屑でゴミで冒涜的なまでに腐りきった自分に……
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