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電車に揺られ、着いた駅から自宅まで全力疾走。
僕はそんなに足が速い男ではないし、長距離走が得意と言う訳でもない。
分譲マンションの一角。
完全防音が設けられた、僕の住む空間へ転がり込むように飛び込んだ。だけど、ゴールはここではない。それのさらに奥……僕がほぼ寝起きの為だけに使われる場所。
その寝室のベッドの側に、彼女はいた。
「あ、おかえりなさい。早かったんですね。」
少しウトウトとしていたのだろうか、彼女は何処か眠たそうにそう言った。でも、僕の姿を見てからは心底嬉しそうに、僕を迎え入れてくれた。
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