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当然、そんな彼女を自分のものにしたいと思っていた男はこの大学にはそれこそ掃いて捨てるほどいた。同学年だけではない、後輩にも、先輩にも…中には教師陣に至るまで。……僕も、そんな男の1人だった。そう、そんな下卑た人間の1人で…
「……うん。」
僕は静かに彼女に歩み寄ると、そっと彼女の体を抱きしめた。
線が細く…少しでも強く抱きしめれば簡単に折れてしまいそうな、彼女の体の感覚を確かめるように。
彼女もまた、自由になっている左腕で僕の体を抱きしめてくれた。
「ただいま……」
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