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いやいやいや辞めんな
紅
「考える事を辞めた人間の末路は暗いぞ?」
アンリ
「…もう暗いですよ…元の生活には…もう戻れないんですから…」
…………イラッ…
紅
「ならば問おう。以前の貴様の未来は明るく華やかであったか?」
アンリ
「そんなの…わかりませんよ…」
紅
「わからん。そりゃそうだ未来なんぞわからんものだ。なのに貴様は生活や、世界が変わっただけで絶望し、全ての事柄を諦めている」
リーナ
「…紅…言い過ぎ…」
紅
「今はそれでいいんだよリーナ。さて、話を戻すが、お前は学園を卒業したら絶望するか?いやしないだろう。今お前の置かれている状況はそれとなんら変わらない。無駄な考えを持たなくていい。人間は生きている内に、なんども環境が変わる。それに適応しろ。さもなくば…自ら決めろ」
俺はそう吐き捨て、部屋を出る
はぁ…これだから心の弱い人間は嫌いなんだよ…
リーナ
「…紅…さすがにひどいと思う…」
紅
「アンリは環境の変化を認めてないだけだ。その場に留まろうとしているだけだ。そんなの…生きてる奴らにゃぁ出来ねぇんだよ」
なら変化を受け入れるしかねぇんだ
例えそれが他人の手によるものだとしてもな
紅
「あーぁ…こっちまで暗くなっちまう。飯でも作るかぁ」
リーナ
「…私はちょっと話してくる…先に行ってて…」
紅
「励ますならやめとけ、逆効果だ。リーナは受け入れた人間だ。その違いは大きい」
リーナ
「…励ましはしない…どう思ってるか…ちゃんと聞くだけ…」
紅
「ならば良し。よろしく頼むな」
俺はリーナの頭を撫で、転移した
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