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オヤジが帰って来たから
慎吾を紹介する
「慎吾か…よろしくな~
こっちはアリス」
「アリスでぇ~す」
「………。」
捨て猫を拾うように
女を持ち帰るオヤジ
固まる慎吾にウケる
寿命が縮む
まずい蕎麦をオヤジに出されても
顔色ひとつ変えず
アリスさんと
楽しく会話しながら
食う慎吾を見て
またまた尊敬した
「へぇ~埼玉の人なんだ~
そこって和紙が有名なとこだったですよね?」
「知ってるのぉ~?
中3はね?
自分の卒業証書は自分で手漉きして作るんだよ~」
「スゲーいい記念になりますね~羨ましいなー」
…蕎麦の味を忘れてしまうぐらい
話題が豊富
『はーん』『ふーん』で終わらない
必ず相手から続きを引き出させる話術
どこの家出娘かわからない
得体の知れない女相手に
バカにした態度を取るわけでもない
味がわからないまま完食
でも、
「美味しかった~ごちそうさまでしたー」
って感想に最終的にたどり着いた
『まずい』としか認識していなかった物
『楽しかった』…って感想が
『美味しかった』と錯覚してしまった
慎吾…脳みそ分けてくれよ
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