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……誰だ? スゲー……高級感ザブザブ溢れる紳士 父親か? あぁ……慎吾には親がいなかったよな 「ヒデアキ!慎吾!」 オヤジ… 自分で付けた息子の名前を忘れたのか? オヤジを見て 慎吾の横に立つ高級紳士とは 真逆の人種 ……いや異星人、異生物だと思った 一張羅のくたびれたスーツとワイシャツ 真っ黒な指先 ……炭坑から来たのかよ? 「社長さん? 親友です…… 浅沼君……と浅沼くんのお父さん メイ…? こちらは 井澤さん オレの…んーー……保護者になってくれてる人」 「いつもお世話になっております 井澤と申します。」 …深々と頭を下げる紳士 …ヘラヘラ笑う炭坑労働者 高級なのに 気さくにオヤジと笑いながら話す姿が …………慎吾と重なった あ……慎吾の保護者だ 慎吾…お前…… この人の事を避けてる割には スゲー尊敬してんだろう? 慎吾を包む空気と 社長さんって人を包む空気 俺には 二人の空気の色が同じに見える 親子って言っても 不自然なとこないじゃん? 「俺達帰るから オヤジ、俺月曜日まで帰らないから」 「おう!死ぬなよ…」 「オヤジもな…」 慎吾は頭を下げるだけで 教室を出て行った
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