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「美咲…4年も平気か?」
夜、ベッドの中で
柔らかい美咲を抱きしめながら問い掛ける
本当は
自分問い掛けてるんだろう?
『慎ちゃんの居ない生活に
慣れるまで……
寂しいと思うけど
それは、慎ちゃんも同じでしょ?』
「まぁね…」
『でも、次に会うのが楽しみでしょ?
施設に
慎ちゃんの車で送ってもらうたびに
切なかった…
けど、慎ちゃんに言われた通り
次会う楽しみをバネに
出来る事を増やしたり
勉強をがんばったりしたんだよ?
私、またがんばるからさ
……心配しないで?
でも、寂しい時はメールしていい?』
………。
なんだよ……
オレより大人じゃん
……長い人生のたった4年間
大学だって4年間
スキー、テニス、海、旅行、ゼミ合宿、コンパ
勉強オンリーではなく
その他の時間も仲間達と過ごし
充実していた
本気で楽しんでいた
今思えば
数年前の出来事なのに
かなり昔に感じる
4年分の思い出も
だらだら広げることはない
ギュギュっと凝縮された
一部が抜粋されるだけだ…
会長は、これからの4年間ではなく
既に、4年後に立って見ているようだ
その位置から
今から始まる
まだ空白の4年間が
埋められていく軌跡を眺めているんだ
オレにも出来るかな?
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