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「ただいま~…」 玄関先で声が聞こえたので、 「おかえり~。」と声をかける。 リビングに入るなり口元だけニーッと笑った顔をしているが、 その顔の時は疲れている時か、機嫌の悪い時。 機嫌が悪いからと言って八つ当たりする訳でもなく、 一人で自己完結してくれるので楽な性格だけど、 溜めこんだストレスを発散する場があんまりないので心配。 「ん~…」 甘ったれた声で顔を寄せてくる渓人。 一番かわいいなと思ってしまう瞬間だけど、 この姿を同僚の立花先生には間違っても見せたくない。 付き合っているということは、まだ内緒。 師長にはいろいろな経緯でばれているが、 師長も口外する人ではないので、助かっている。
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