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お兄ちゃんの注文する量に驚きもせず、
お父さんはお母さんに向かって、
「酒…」と指示を出している。
「川口先生は飲めるんですか?」
お父さんもまだ何と呼んでいいのかわからないと言った感じに
渓人の事を『川口先生』と呼んだ。
「嗜む程度ですが…今日は運転して来ましたので…
残念ですが…」
伏し目がちに断っているが、それで通用するような我が家ではない。
「美晴…お前が運転して帰れば良いな。」
お父さん…それって強制?
正直言えば渓人の車は…車好きが高じて結構いい車なので、
私は運転…したくない。
でも、ここで無理とは言えないか…
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