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「そうね…美晴の花嫁衣裳を見せてもらうまでに お相手がいなくなっちゃったら困るから…」 笑い話でお母さんも返事をするけど、 胡都のお母さんは…きっと… まだまだ楽しみがたくさん残っている中で… 亡くなっていってしまったのだから、 きっと…無念だったことだろう… そして早瀬先生も… 幸せに…出来なかったと、後悔しながら生きて来たんじゃないだろうか? だからこそ…私に、『掴む幸せがたくさんあります。』って 言葉を掛けてくれたんじゃないかと さっきの会話で頭を過る。 「運転気を付けて帰りなさいよ。着いたら連絡頂戴ね。」 お母さんはそう言って車から一歩下がった。 後ろにはお腹の大きな沙月さんと、 斗真を肩車したお兄ちゃん… お父さんはすっかりお酒に潰れて眠ってしまった。
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