26/67
前へ
/676ページ
次へ
「 名前はもう決めたの? 」 渓人は少し難しい顔をしてカルテを見ていたかと思ったら、 立花先生に質問している。 「 あぁ…もう決めたよ。 凛って名前にした。」 難しい漢字だったので、その辺りに置かれているメモ用紙に 胸ポケットから取り出したボールペンで 凛って書いている。 「 ももってのと最後まで迷っていたんだけど、 かみさんの方が、最終的にね… 」 立花先生の一言に反応した師長が、 「 ももだったら森崎教授の家のわんちゃんと 同じ名前になるところだったわね。」 すっごい残念そうに笑いながら話しかけていた。 「 まじですか?良かった…森崎教授の前で もも!とかって叱れないですもんね… 」 立花先生は胸を撫で下ろして安心していた。
/676ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3318人が本棚に入れています
本棚に追加