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ひぐらしの鳴く夕刻。
女房に無理を言って二人で外に出た。
またあの顔だ。
あの女房たちの、おぞましいものを見る目。
そして私を寵愛する芙蓉に対する目。
そんな目を知っているから夜に人目を忍んで会いに来ようとしていたが、芙蓉はあっさりと
「私は元から変わり者で通っているから大丈夫だ。気にせず来るといい」
と、気にもしなかった。
芙蓉の言葉に甘え、どっぷりと蜜のような甘い日々に浸っていたとき。
芙蓉に一通の文が届いた。
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