†第一話† ~生きる意味~

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パチパチ……バチッ!……。 俺が留守にしている間に見るも無惨になった故郷。 見渡す限り瓦礫の山と火の海で、さかんだった街の面影もない。 モクモクと立ち上る黒煙。 鼻が曲がるほどの死臭。 まるで地獄のようだ……。 たった一晩でこの有り様だ。 ハッ、と我に返る。 あまりの無惨さに立ち尽くしていた。 俺は急いで家に駆け出した。 死んでいるはずがない。きっと生きている。 そう思うしかなかった……神にもすがるような気持ちで、儚く脆い希望を胸に抱き、ただ走る。 「おかえり」と言う暖かい言葉をかけて貰うために走る。 しかし、現実はあまりにも理不尽で残酷だった。 ドサッ。地に膝をついた。 立っていられなかった。 目にしたのは焼けた瓦礫の下で血を流しぐったりしていた、母と妹の姿だった。 辺りを漂うのは母と妹の死臭。 冷たい何かが頬を伝った。 「あっ…うっ……あぁ、あぁぁぁぁぁ」 咽び泣く。 ……… ……
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