†第一話† ~生きる意味~

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涙が渇れた頃にはすっかり夜が明けていた。 何故、イフゼンなんだっ! ドスッ。 握り締めた拳で大地を強く殴った。 サラナミで耳に挟んだ事がまさか、本当だったなんて……… 「オイ、聞いたか?イフゼンが火の海らしいぜ」 一人の男が知り合いであろう男たちに告げた。 「何、言ってんだよ」 「またまた、そんなこと言ってよ」 「俺らを試してんだろ?」 男たちは甲高い声で笑いながら答えた。 その時までは俺もそうだった。 あの時にはもう……… 「くっ!」 悔いるばかりでそんな自分が憎くて仕方なかった。 爪が肉に食い込むほど拳を強く握り締め、歯が軋むほど強く絞めた。 そうでもしないとこの感情を抑えることが出来なかった。 もう少し、もう少し早く帰って来ていれば…… まだ、助けられたかもしれない。 死なせずに済んだかもしれない…… そう思うとより一層、拳を強く握り、歯を軋ませた。
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