†第一話† ~生きる意味~

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「すまぬ。自己紹介が遅れた。 私は第一黙示録を守護していた戰乙女のブリュンヒルデだ。そう言うお前は?」 この娘がブリュンヒルデ。 話にはよく聞く名であったが会ったのは初めてだ。 俺と同じくらいの若さで、朝の陽光を吸収しているかのような黒き髪は、腰まで届き、紫苑色の瞳は凛々しさで輝いている。 甲冑から伸びた腕は年齢相応を思わせる華奢さである。 と見惚れている場合ではない。 顔を左右に揺らし雑念を払った。 ブリュンヒルデが不思議そうに見てたが気にせず告げた。 「俺はマティウスだ」 ブリュンヒルデは俺の名を聞くと、腰に携えていた、一本の剣を鞘ごと抜き、俺に向けて投げた。 「よし、マティウス。私と一緒に来い」 いきなり、何を言っているんだこいつは? 「俺がか?」 「二度も言わせるな。お前以外の誰がいる?」 「死人がいるだろ」 最早、自分で何を口走っているのか、わからなかった。 「くすっ…お前は面白い奴だな、私に死人を連れて行けと?じゃあ、マティウス、お前に渡した剣はなんだ?」 確かに剣を渡されたのは俺だった。 しかし、さっき、会ったばかりの奴にいきなり、剣を渡され、一緒に来いなんて言われて冷静にいられるわけがないだろう。 「返事を聞きたいのだが?」 ブリュンヒルデは顔を覗き込むように聞いてきた。 俺がお前と? 俺は…… 俺は行かない…
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