マスターだけど愛さえあれば関係無いよねっ!

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◇ とりあえず色々あったが無事に買い物は終了し、アキラも連れてバイキングへ。 「いや…逆に食欲が…」 「ほうひは?」 「いや、何でも無いです」 丁寧に、そして一つの汚れも無く食べている筈のアーサーの皿は異常な速さで消えて行く。 「アキラ、お前も運べ」 「え?何で食わねぇの?」 「アーサーに頼まれてるからに決まってるだろ?何を言ってんだ?」 (どっちがマスターかわかんねぇ…) ◇ 結局一口も食べなかった恭介とアキラ、因みに店の食べ物は全て無くなり、無時間食べ放題!と掲げた店のシェフはかなり脱力し、オーナーは泣きながら代金を受け取った。 「悪かった、一応とっといてくれ、潰れたら困る」小声 俺は密かに小切手をオーナーに握らせ、店を後にした。 そして外も夕暮れになり、俺達が帰ろうとした時。 『君にジュースを買ってあげる~♪』 「着信?」 アキラが何か言っているがヌルーする、さて、相手は…国王?何の用だ、まさか…また姫が攫われたんじゃ無いだろうな?もう良い加減に嫌だぞ。 「もしもし?」 『魔皇帝、君に頼みがあるんだ』 「また攫われたとかは嫌だぞ」 『今回はそうじゃ無いんだ、あの…言いにくいんだが…』 「何だよ」 『…メルカがこの国に帰ってくるらしい』 「なっ…!?」 気付けば俺は携帯を地面に落とし、ガタガタと尋常じゃなく震えていた。 「ど、どうしたのマスター!?」 「メメメメメメルカがが…あばばばば!?」 俺は震えが止まらず、ただ…、そう、ただ何かに恐れて震えている。 「め、メルカ…だと!?」 あのアーサーでさえ、少し顔を引きつらせている。 「悪いがマスター、私は空間に閉じこもる」 「ごめんねマスター、私も…、ほら皆!」 「おいコラ!逃げんな!」 俺以外の家族は全員空間に閉じこもり、俺が空間を開けようとするが鍵を閉めたドアみたいに開かない。 「どどどどどうしよう!?あばびはばばばば!?」 「ちょ!落ちつけクサナギ!クサナギィィィィィィ!」
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