マスターだけど愛さえあれば関係無いよねっ!

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「俺は逃げる!」 「おい待てって!」 「離せぇぇぇぇ!!俺はまだ死にたく無いィィィィィィ!」 暴れ狂う恭介を必死にアキラは押さえつけ、とりあえず近くの店に引きずり込んだ 「一体どうしたんだよ、お前程の男がそんなに怖がるなんて「怖いじゃない、恐いだ」 「あっそ、それで?理由は?」 「…俺が三年前、ここの世界に転生して国王の馬車に助けられた事は前に話したよな?」 「あぁ」 恭介は顔を真っ青にして話し出す。 「その時に乗っていた人物がメルカ、国王の娘だったんだ。」 「良い人じゃないか」 「あぁ、でも国に着き、住ませてもらった、と言う所から悪夢は始まったんだ…」 「え?」 「最初はほんのお世話焼きだと思ってたんだ、毎日この世界の事についての勉強は教えて貰ったし、魔法の使い方も教えてもらった」 「…。」 「でもな、気付いたら…メルカは俺に依存し過ぎてたんだ」 「な……!?」 「四六時中監視され、寝る時は常に一緒、ご飯も同じ食器でしか食べれない。そう…メルカは病んでたんだ」 恭介は続ける。 「そして一ヶ月経った時、俺はギルドの紹介もあって学園に通う事になった」 その時は高校一年生にあたる16歳、真っ新な制服を身に纏った恭介をアキラは想像した。 「でも、初日しか俺は学園に登校出来なかった。 わかるか? 俺は… 二ヶ月監禁されてたんだ」
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