ヤンデレ、それは歪んだ愛

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◇ 「恭介さん!おはようございます!」 「…うん」 鬱だ、とりあえず逃げたい。 おっす、一つ言うけど殆ど家から出れない、軟禁生活、って言うのかな?もうあれから二週間経つ。 「あのさ…「何?」…いや、何でもない」 メルカは常に俺だけを見てるような瞳をしている、それに俺がこうして逆らえない理由はある。 一つは命の恩人だった事、この世界に来た時、右も左もわからない俺を世話して暮れた人間(今じゃお節介なだけだが) 二つ、王女と言う事、俺はまだ国家を敵に回したくは無い。 三つ、俺がメルカを嫌って無いと言う事。別に好きでも無いし嫌いでも無い、友達っていう関係が理想なんだが、そうはいかないらしい。 結論は… とりあえず帰って欲しい。 「なぁ?いつ頃帰るんだ?」 「恭介は私が帰ると寂しい?」 あ…詰んだかも…。 「そうだよね!私が居ないと寂しいよね、ならずっと一緒に居てあげる!パパに無理言ってでも一緒に居てあげるからね!」 ぎゅー、っと俺の腕に抱きつく。 「あ、あぁ…」 それに王女であるメルカは当然、美少女、金髪のツインテール、そして碧く光る瞳。 結構発展は進んでいる。 ヤンデレじゃなかったら…とは言えない。 「ん?」 ピンポーン、とチャイムが鳴り、俺はソファから立ち上がり、玄関へ向かう。 ガチャ 「なっ!?ムグッ!?」 扉を開けた瞬間、黒い布を頭に被せられ、鳩尾を何かで殴られ、俺は担がれた。 「恭介さん!?お前ぇぇぇぇぇ!!」 「はぁっ!!」 「うっ!?」 爆発音が聞こえる、玄関はめちゃくちゃに大破し、その間に俺は誘拐された。
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