ヤンデレ、それは歪んだ愛

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「ちょ…待っ…やめっ…」 槍に当たらない様に避け続ける、何か打開策は無いか考える。 破壊魔法…、いやダメだ、下手をすればメルカごと消してしまう。 空間、時、重力、催眠…。 催眠? そうだ、一時的に眠らせたら… 「悪いメルカ、…スリープ」 「あっ…」 メルカは槍を手放し、俺に身を預ける様に倒れ、俺は落とさない様に抱き寄せた。 「…はぁ。」 小さく溜息を吐く、とりあえずは安心。 「恭介、今のうちに」 「あぁ」 ◇ 「あっ!マスター!」 サタンが駆け寄り、久し振りに鳩尾ダイブを喰らう。 「うぷっ…、ひ、久し振りだな…」 思わず出そうになるが飲み込み、引きつった笑みを浮かべながらサタンを見る。 「久し振りです」 「皆居るのか?」 「いや、あの少年二人は居ないな、全く、ゴミの役にも立たない無駄な働きだ」 レイラがぶつぶつと文句を言い、隣のツカサが苦笑いしながら止める。 「お、お水が欲しいです…」 ルカはかなり小さくなって蒸発していた、とりあえず水魔法で増水しておく。 「これか?」 「うん!早く殺っちゃおう!」 「おいおい、意味が違わないか?」 「…う」 「あ」 メルカが俺の肩の上で起き、俺の顔を確認すると真っ赤になる。 「て、手が当たって…」 「わ、悪い!」 今気が付いたんだが俺がメルカを支えていた手はものの見事にメルカのお尻を抑えていた。 まぁメルカを屋上の上に降ろすと、まぁ殺気が漏れます。 「待ってくれ!こいつらは俺の使い魔と娘と妹で……待てって!止まれ!」 「どいて、そいつ殺せないから」 多分墓穴を掘ったのは俺だ、娘なんて言ったらダメというか破滅だよな。 「貴女は恭介さんの何なの?」 「私は恭介の妹 兼…嫁だ!」ドヤッ 「レイラ!マジで引っ込んでてくれ!てか話をややこしくするな!」 「恭介さん…の…嫁?…ウフフフフ…アハハハハハ!!」 メルカが壊れた、レイラはしてやったり、といった表情を浮かべている。 そういやツカサとレイラとルカはメルカの事を知らないまま現在に至るんだよな…。
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