ヤンデレ、それは歪んだ愛

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「もう一度聞くわ、貴女は恭介さんの事をどう思っているの?」 「「「大好きです!」」」 サタン、ルカ、そしてレイラの三人が声を揃えて言い、メルカは歯を食いしばって三人を睨みつける。 「あのさ、もしかしてその女の人は【クサナギに片思いしてて、でもクサナギは気付いてなくて、結果、クサナギに依存しているヤンデレな彼女】だったりするの?」 ツカサが言うとその場は静寂に包まれ、メルカはじっとレイラを見た。 「因みに貴女も恭介さんの事を?」 「え?違うけど…」 地味に傷付く、まぁ助けた事に関しては感謝してもらえてるから良いけど…。 「でも、だからと言ってクサナギが貴女のものじゃないのは確かよ、ここにいる全員が思ってる、誰もがクサナギに会いたいし喋りたい、クサナギを縛ろうと思ってるなら全力を持って貴女を叩き潰しに行くわ」 するとツカサの手がサタンと同じ黒い焔に包まれ、ツカサはメルカを睨む。 「え?ツカサって黒焔使えたのか?」 「これはサタンの魔法よ?」 「じゃあ何で…」 「サタンの魔力を込めた魔法具よ」 ツカサはパッと人差し指を見せる。 そこには黒い宝石で作られた指輪がはめられていた。 「私が魔法は使えないのは知ってるでしょ?だからガルバさんに言って作ってもらったのよ、これなら魔力無い人でも使えるからね」 成る程、そういう事か。 「だ、だから何なの?私が恭介さんを好きになる事はダメとでも言いたいの?」 「違う、クサナギが本当に欲しいならちゃんと告白しろ、って事が言いたいの」 「そ、そんなの…」 「無理ならクサナギのお嫁さんなんて到底無理ね、振り向かせたいなら本当の愛を持ってサタン達と戦って勝ち取る事ね、…ちょっと言ってて恥ずかしいけど」 「あぁ、聞いてる俺もかなり恥ずかしい」 目の前で俺の事を喋られると凄く恥ずかしい、俺は真上を向いて深呼吸していた。 「クサナギの付き合う権利があるのは貴女だけじゃない、皆にあるって事よ」 「…ごめんなさい」 メルカは小さく呟き、俺はふぅ、と息を吐く。 「とりあえず解決したか?」 「結局クサナギは何もしてないよね」 「結構大変だったんだぞ?」
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