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◇
「風紀委員長さん」
「は、はいっ!?」
アキラは水着に裸パーカーといったセリアにとって直視できない格好だった。
「悪いな、俺みたいな柄の悪い奴と一緒で」
歩きながらアキラはそう言う、周りから見れば不良、現にこの世界に来る前は勇者、もとい神崎がよく他校の不良の彼女と仲良くなっていたりして色々と面倒な事があった。
その度にアキラは呼び出され、話し合いと言う時に名目で殴り合いの喧嘩を行う。
いつしかロリコンのエセオタクは本当の不良になっていた。
閑話休題
「そ、そんな事ないです!」
「ハハハ、お世辞でも嬉しいかもな」
セリアは嘘じゃないのに…、と思いながら前を歩くアキラを見る。
実際にアキラがあの学園にやって来てから二ヶ月、劇的なまでに暴力関係の問題児はほぼゼロに近くなった。
この真相を聞いて見たくなった。
「あのさ、突然悪いけど…その…学園の事なんだけど…」
「聞かれると思ったからクサナギに言われたんだ」
くるっとアキラはポケットに手をいれて振り返った。
「感謝なんていら無いよ、たまたま見かけて行動しただけだし、それとも…風紀委員長はこんな俺を問題児と言うかい?」
自嘲気味に笑って見せる、するとセリアは慌てて手を横に振った。
「ち、違うよ!アキラ君は問題児なんかじゃない!私達が出来なかった事をしてくれただけで…、だから…その…お願いがあるの!良かったら…「風紀委員に入らないか、でしょ?」な、何で分かったの!?」
「え?だって考えが見え見えですけど…」
ズーン、もセリアはしゃがみ込んで嘆き、アキラは慌てて宥める。
「でも俺は別にいいですよ、まだまだ学園生活の事なんてわからないですから」
「ほ、本当!?」
「はい、す、すみません…近いです…」
セリアは慌てて離れ、頬を赤らめる。
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