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◇
「おっ、帰って来たぞ」
俺達の昼食はBBQ、大分前に獲った海龍の肉がまだ使えたので食べ続ける。
アーサーは網の前から一歩も退かない、ただ焼けるのを待ち、たまに滴る涎をハッとして拭う。
これだけ見ていたら可愛いのに…
と思った矢先、俺の顔面に砂が命中した。
「目が、目がぁぁ!」
「フンッ」
「はい、皿と…お箸で良かった?」
「お箸?何ですかそれは」
「え?箸知らないの?」
「少年、この世界にはナイフとフォークしかし存在しないらしい、俺も恭介と出会う前は知らなかったが、使ってみると良い物だぞ」
ルシファーはトングをカチカチと叩きながら言う、アキラは改めて箸を眺める。
「そうなのか、挑戦してみる?」
アキラはセリアに箸を渡し、先ずは握り方から教える。
「む、難しい…」
「それで肉を挟むんだ」
「くぅぅ…」
「大苦戦ね」
「しかもサタンの方が美味いし、てかレイラ?俺はこんな約束した覚え無いんだが」
「勝者は何でも許されるのよ、あーん」
「お前も箸を使え」
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