大概勇者ってのはクズだ

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先制攻撃は勇者、軽い双剣をXに振り、魔法の斬撃を飛ばす。 中々やるな しかし明は読んでいたのか大剣を盾にして防ぎ、近づくと横に一閃 苦し紛れに避けた勇者は空中で一回転して再び斬撃を飛ばす。 「ッ!」 しかし明と勇者の間に雷光が迸り、斬撃は相殺される。 「アキラに怪我はさせんぞ」 「ゼウス…」 ゼウスは明の顔を一瞥すると顔を赤くして目を逸らした。 「【トールハンマー】」 雷の斧が勇者の頭上に現れ、ゼウスは手をあげた状態だった。 「はぁっ!」 手を振り下ろし、斧は勇者に向かう…が。 「させません!」 「僕達を忘れないで欲しいな」 勇者の使い魔が間に入り、魔法を相殺させた。 ゼウスは不機嫌そうな表情で二人の使い魔を見る。 「子供に負けるほど属性王の私は落ちぶれておりませんの」 「僕達みたいに胸も無いしね」 何かが切れる音、明はゲッ、と驚いた表情でゼウスを見た。 「アキラ…、手出しはしないで欲しいのじゃ…」 「わ、わかった」 明はこくりと頷き、ゼウスはニヤッと壊れた様に微笑むと… 「くたばれクソビッチどもがぁぁぁ!」 ネジが外れた様に怒りの矛先を二人に向けた。 「び、ビッチですって!?」 「怒ったよ!ボコボコにしてやる【次元隔離】!」 使い魔達は次元の中に消えて行き、明と勇者だけが残った。 「行くぞ!…明!」 「お、おぅ…」 さっきのゼウスの事を思いながら明は大剣を構え直した。
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