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「…何だよ、邪魔すんな」
「理由も無く人を傷つけたらダメだよ」
勇者はアキラの前に立ち、双聖剣を重ねてレオパルドの攻撃を防いでいた。
「ジークフリート!」
大剣を取り出し、アキラは横薙ぎに振るってレオパルドを吹き飛ばす。
「チッ…、邪魔すんなって…言ってんだろうがぁぁぁぁ!
【第666魔法陣展開、魔王の右腕を以て我が鼓動に応えよ、鬼神アシュラ召喚】!」
黒豹は光の粒子になって霧散し、勇者とウルの間に黒い渦が出現する。
「殺されても文句言うなよ…、まぁ殺してもいいんだけどなァ」
「なっ…」
黒い渦から出てきたのは三つの顔、六本の腕を持ち、六つの武器を持ち、顔が包帯で見えない男だった。
『奴は…!』
「知ってるのか?」
『えぇ、奴は過去に英雄王と呼ばれる者を惨殺した大悪党、最後まで暴虐の限りを尽くした元人間よ』
「そんな奴が何で…」
「ゼィッ!」
「くっ!」
勇者はアシュラの攻撃を受け止め、余りの重さの一撃に膝を曲げた。
「チッ…、ウルの奴、もう頭に血が上ってやがる、おっと」
グレンはポケットに手を入れたまま宙返りしてアキラの攻撃を避け、見下す様にして見る。
「お前の相手が俺?本当はあの金髪とやりたかったんだが…、まぁいいや、すぐに沈めてやるから…来いよ」
「潰す!」
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