4590人が本棚に入れています
本棚に追加
「…そうだ!ゼウス!」
アキラは慌ててゼウスと叫び、魔法陣が形成されると中からゼウスが現れる。
「なんじゃ?突然呼び出して…」
「頼む!コイツを死なせないでくれ!」
「…わかった、任せるが良い」
ゼウスはぶつぶつと何かを唱え、グレンの治癒に専念する。
「何処に行くのじゃ?」
「大事な用があるんだ、一人で行かなくちゃならない大事な用がな」
そう言い残すとアキラは転移し、勇者の戦っていた方に向かった。
◇
「しっかりして!」
「悪い…何も動かねぇんだ…」
レイラに引っ張られながら路地裏に入る。
「誰か呼んで来てくれ、見つからない様に隠れてるからさ…」
「そんな!危ないから置いて行けない!」
「大丈夫だ、死にはしねぇよ…頼む…早く…」
段々と視界が歪みを増し、暗くなる。
レイラは心配した表情で頷き、背中に龍翼を生やして寮の方に飛んで行った。
「さて…ハハッ…もう見つかったか」
「…対象を発見、捕獲します」
「やっぱり…あの時の…」
「喋る必要はありません、…運びなさい」
その言葉を最後に俺の意識は真っ暗になった。
最初のコメントを投稿しよう!