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◇
「えっと…確かこの辺に…居た!」
そこにはポツンと一人で倒れている勇者の姿。
「おい起きろ、勇者だろ」
顔の辺りを踏みつけて起こす。
「むぅ…おはようアキラ」
「バカ野郎、おはようじゃねぇ、てかあの青いのは?」
「青いの?あれ?確かここに居た筈…痛っ!」
勇者は胸を抑え、アキラは溜息を吐くと治癒魔法を唱える。
「あ、ありがとうアキラ」
「礼なんていらねぇよ、さっさと立て」
腕を持って立ち上がらせ、勇者はウルの居た所へ歩くとしゃがみ込む。
「ここに居た筈なんだけど…」
「逃げたか、それとも委員長とやらに回収されたか、だな」
「委員長?」
「今回のボスだ、RPGで言う魔王みたいなもんだな」
「そうなのか…、と、とりあえず魔皇帝さんに話してみないか?」
「そうだな、じゃあグレンとゼウスを呼んでくる」
「グレン?」
「緑髪の奴だ、今ゼウスが頑張ってくれてる」
「なら先に行ってるよ、転移」
勇者はシュッ、と消え、アキラはゼウスの方に走り出した。
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