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「オラァッ!吹き飛べ!」
横薙ぎに大剣を振るい、周りの敵を吹き飛ばす。
「キリがねぇ…ん?」
あきらかに様子のおかしい敵がグニャグニャと関節を無視して動き出し、周りの敵も同じように動く。
「うぇ…」
見ていたアキラは気持ち悪くなって口を抑え、勇者は円錐型に魔力の輪を作り、一気に広げる。
「【聖なる天輪】(クロスアーヂ)!!」
周りの敵は全て薄切りにされ、血も何も出さないまま崩れ落ちる。
「何かしようとしてるよ」
トン、とアキラと勇者の背中が合わさり、武器を構えながら勇者は言う。
「知るか、んなもん全部叩き斬ったらいい」
縦に大剣を振り、グシャ、と敵の一人を潰す。
「やはり、傀儡では相手になりませんね」
空から声が聞こえ、勇者は上を向いて叫ぶ。
「誰だっ!」
「私?私は…「ブフッ!?」
刹那、勇者は鼻血を噴き出してフラつき、アキラも周りの敵を一瞬すると上を向く。
「誰が居るん…、誰だお前」
そこには縞パンを穿いた金髪ツインテールの美少女と呼ぶに相応しい女の子、そして白いローブを纏い、フリフリの付いた傘をさしていた。
「あれ?貴女は欲情しないのね」
「誰がするか、お前みたいなババァの下着なんか目に毒以外の何者でもねぇよ!」
「ぼ、僕には刺激が強過ぎるよ…」
勇者は顔を赤くして鼻に手を添え、鼻声で言う。
「フフフ、…ねぇそこの童貞さん?」
「どっ…」
「私と良い事しない?」
「黙れクソビッチ!」
「…黙れ…ですって?少しお仕置きが必要ね、ウル、ステラ、貴方達に任せるわ」
「ウル!?」
勇者が反応し、金髪ツインテールの女の子はクスクスと笑いながら黒い霧になって消え去った。
「あっ!おい待てコラァ!」
言い終える前にはいなくなり、くそっ!と言うと同時に後ろから足音が聞こえる。
「勇者ァ…!今度こそお前を殺す!」
「…処刑する」
「金髪…、もしかしてアイツが恭介を?」
「多分そうだね…、でも気を付けて、さっき僕が戦った時と全然違う魔力を感じる」
「なら…共闘だ、行くぜ!ついて来い!」
「アキラに合わせるよ!」
二人は武器を構え、ウルとステラを睨む。
「ステラ!…お前は退いてろ、僕が…、僕が二人共沈めてやる!」
「…。」
ステラは無表情で小さく頷き、少し離れた所から見守る。
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