激戦、執行委員会

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「これで…決めてやる!」 刹那、ウルの周りに青い炎が噴き出し、絡み合いながら空へ上って行く。 そして炎は空中で一気に広がり、一筋の光になって地面に降り立つ。 「…ゑ?」 勇者は思わず唖然とした。 「ひ…、ひよこ?」 「ふんっ」 プチッとアキラは躊躇なく踏み潰し、後ろで勇者が絶叫する。 「煩いな…」 「煩いじゃないよ!ひよこだよ!?幼鳥だよ!?」 「敵だからいいに決まって……なっ…!?」 「えっ…!?」 踏み潰した筈のひよこは一回り大きくなって蘇り、後ろでウルは高笑いする。 「ククク…」 ウルは手を翳して武器を創り出し、自分の召喚したヒヨコを攻撃する。 「何で攻撃してるんだ…!?」 「丁度いい、一気にアイツを殺るぞ」 二人が飛び出してウルを斬ろうとした瞬間。 「一歩遅かったなァ…!」 「がっ…!?」 「ぐっ…!?」 二人は同時に何かに殴られて真横に吹き飛ばされ、受け身をとって起き上がる。 「ヒャハハハハハ!!バカがッ、こいつはただの鳥じゃねェんだよ…、不死鳥フェニックス!決して殺す事の出来ない不死の鳥! 殺せば殺す程力を増し、時間が経てば立つ程強大になる!」 真っ赤な炎で形成された翼、マグマの様に煮えたぎる瞳、周りの空気さえ焦がし、近寄る事も出来ない熱量を放出する。 「これが…フェニックス…」 「おいおい…無理ゲーだろ…」 二人は絶句して空に羽ばたくフェニックスを凝視する。 「さぁフェニックス、こいつらの血を!肉を!骨を!魂を!! 全てを燃やし尽くして殺せェッ!」
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