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一直線に向かって来るステラ、俺はステラを囲むように火球を作り出す。
思わずステラの足は止まる。
「降参するなら…あれ?」
さっきまであった筈の火球は全て消え去り、代わりにステラの頭の上に超巨大な火球が浮いていた。
「…貴方は知らないのね」
火球を投げつける。
「何がだよ」
俺はイナズマイレブンよろしく真上に蹴り飛ばした。
「ファイアー…トルネード!」
よしっ、と当たる確信をした俺がだったが再びステラの目の前で火球は消え去る。
「…もしかしてあの時の炎は…」
初めて対峙した時、俺を殺し損ねたステラを捕まえた時だ。
あの時は不自然に体が発火し、自由自在に炎を操っている様に見えた。
まさか…!
「ドラゴンスレイヤー…だと?」
「ドラゴン…?違うわ、私は…呪われてるから」
両手に炎を纏い、殴りかかってくる。
「いや、普通の威力じゃねぇし」
軽く拳を掴んで受け止める、熱さ?そんなもん氷魔法で何とかなるだろ?
パキパキとステラの拳が凍る、ステラパキパキ離れようとするが氷で俺と繋がっているので離れようにも離れられない。
「は、離せ!」
「ならお前の知ってる事を全部話してもらおうか」
凍らせる速さを上げる、途端にステラは表情を一転させ、泣き叫び始めた。
「嫌!嫌ぁ!もう…死にたく…無い…!」
「…はぁ」
俺は氷を割って束縛を解除し、創造魔法で創り出した鎖でステラを拘束する。
「な、何で…!?」
「そこまで拒絶されると自分の事じゃ無くても精神的にツライ、俺のメンタルはガラス以上に響きやすいんだ」
するとステラは大人しくなり、上目遣いで俺を見た。
「…流石変人と呼ばれるだけあるわね」
「褒めてんのか?まぁいいや、とりあえず知ってる事全部離せ」
「…。」
「話さないなら魔法で頭の中覗くぞ」
「…話す」
「よし、良い子で助かる、ここじゃ何だし、お前の仲間が居る俺の寮まで来い、…アイツはどうするんだ?」
「…ウルもお願い、ウルも…私の大事な家族だから…」
「家族?…まぁいい、とりあえず身柄上は捕虜だからな」
「…わかってる」
ステラは微かに震えている、多分暴力的な物を受けるんじゃ無いかと思ってんのか?
「大丈夫だ、手荒な真似はし無い、素直に話せば何もしない、すぐに解放してやる」
「…うん」
俺はウルを担ぎ上げ、ステラを拘束している鎖を掴むと寮に転移した。
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