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◇
「苛々する」
コートとヘルメットを外した俺はリビングの椅子に座って苛々していた。
「まぁまぁ、恭介の好きなほっとレモン作ったから落ち着け」
ルシファーがコップに注いだほっとレモン、俺はゆっくり飲み、ふぅ、と息を吐く。
「そうだ!」
サタンが何かを思いつき、とたとたと小走りでリビングを出て行き、暫くすると帰ってきた。
体にはなにやらマントを纏っている。
「闇の焔に抱かれて消えろ!どう?マスター!」
「…かなり可愛いぞ」
俺は苛々を忘れて笑っていた、これはサタンに感謝せねば…てかリアルに闇の焔ってのはサタン使えるからなぁ…、ちょっと怖かった。
「マスター、元気を出せ、見ていて苛々する」
アーサーから差し出された茶菓子、しかし…
「苛々している時には甘い物がいいのだ」
山の様に餡子をもりつける、高さは30cmくらい…。
どこの副長だバカヤロウ!
まぁ餡子大好きだから食べるけど。
餡子の山にかじりついているとルシファーは少し引いていた。
「き、恭介、俺は買い物に行って来る」
「私も行く!」
サタンは手を上げて買い物に着いて行きたいと言う。
「恭介、どうすれば?」
「別にいいぞ」
「わかった、行くぞサタン」
「はーい!」
魔王と悪魔王か…、ある意味最凶の組み合わせだ。
二人が買い物に出かけ、餡子を食べ終えると。
「食後の運動がてら勝負でもするか?」
「では私の本気の剣技を魅せてやろう」
フフッ、とアーサーは嬉しそうに笑い、俺は引きつった笑みを向けた。
見えねぇんだよ…、速過ぎて。
俺は椅子から立ち上がり、寮内の訓練室に向かった。
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