決着、執行委員会

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フレメアは普通に銃を持ち、互いの足が同時に動いた瞬間、引き金を引く。 魔力で生成された弾丸は空中でぶつかって相殺し合い、俺は一気に距離を詰める。 「くっ…」 撃とうとするフレメアの銃を蹴り上げて弾き、右肩に銃を突きつけ、引き金を引く。 バギッ、と鈍い音を鳴らし、右肩の鎧には穴が空き、血が流れる。 「うぐっ…この…!」 銃を連射するが俺は見切り、必要最低限の動作で回避する。 「右手は使い物にならねぇ、今の内に降参でもするか?」 「フッ、誰が…!」 強がってはいるが声は震えていた、俺は気にする事も無く銃口をフレメアに向ける。 ドンッ 同時に銃声が鳴り響く。 当然、立っていたのは俺、腹を撃たれたフレメアは前のめりに倒れ、元の白ローブ姿に戻る。 「私は…まだ…!」 「もう終わりだ」 額に銃口を押し付け、引き金を引いた瞬間、目の前に居た筈のフレメアが消えた。 俺は驚き、ハッと上を見上げる。 「困るね、これでも彼女は有能なんだよ」 そこには神父を連想させる服装をした白髪の青年が空中に立っていた。 「誰だお前!」 「僕はアッシュ、この子の上司に当たるね」 「上司だと?」 「そう、執行委員会は他にもある、僕は【総本部】の人間だけど」 「総本部?」 「執行委員会は他にもあるって事だよ、因みにここには無いよ、もう段階は完了したんだから」 「段階だと?」 「そう、僕達執行委員会はもう一つの組織として国に認められた」 「そんは筈があるか、国王が許すわけ…「誰がこの国と言った?」 アッシュはニヤリと笑う。 「その国は…、悪いな、僕の同僚から喋りすぎだと怒られたよ、また会おう」 「待て!」 俺はアッシュに手を伸ばす、しかし既に開いた空間の中に消えて行った。 「一体何者なんだよアイツら…」
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