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街に来ると砕けた鎧と店に売っている鎧を見比べながら同じ物を探す。
しかし今の時代、青銅の鎧を売っている店なんて無かった、今は鉄が主流の防具、昔の防具とは性能が段違いだ。
「これと同じ青銅の鎧って無いか?」
欠片を見せて店を練り歩く。
聞いては無いと言われ、その繰り返しだった。
俺は怒っていた時のアーサーを思い出す度に溜息を吐いていた。
「ここが最後か…」
凄く古ぼけた防具店、俺は最後の希望を込めて中に入った。
そこは風化しかけた剣が並べられ、とても店と呼ぶには到底及ばない店だった。
「誰だ?」
中から初老の男が現れ、片手には小型のハンマーを持っていた。
「青銅の鎧って売ってるか?」
「知らんな」
「そうか…、じゃあな」
「待て」
「なんだよ」
「探し物か?」
「まぁな」
すると男は少し考え、ある事を言った。
「青銅の鎧なんて大昔の防具だ、何故欲しがる?」
「大事な物を壊しちまったからな、自分で調べたらもうこの世界にはその素材は存在しないらしいしな」
「錫なら少しだけ残っているな、もし鎧の部品があるなら修復できるかも知れないな」
俺は近寄って机をバンッと叩き、男の顔を見た。
「本当か!?修復なんて出来るのか!?」
「当たり前だ、今は魔法で何でも出来るからな、作る事は出来ても直す事は出来ない、過去、人間が育んで来た技術だったが今はもう失われたな」
「技術?」
「鉄工術と言ってな、今じゃ誰も使わないし、使えない技術だ、俺だけが好き好んで使っているな、はっはっは!」
俺は空間から壊れた青銅の鎧を取り出し、男に言った。
「金なら幾らでも出す!完璧に直してくれ!」
「へっ、兄ちゃんの顔見てたら助けてやりたくなったぜ、その仕事請け負ってやる!」
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