青銅の鎧って序盤から中盤にかけて使えるよね。

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「出来たぞ!」 おっちゃんが持ってきた物、それは綺麗に、跡も一切残って居ない新品同然の青銅の鎧だった。 「おぉ…!」 俺は思わず感嘆の声をあげた、しかしそれも長くは続かない。 「許して貰えるのかな…」 「大丈夫!そうだ!今からアーちゃん連れて来る!」 「え、ちょ待てサタ…」 サタンは既に転移して姿を消していた。 マズイ、どんな顔をすればいいんだ… そう考えていると玄関がバン、と開く。 「おい親父ぃ!今週のショバ代払えや!」 「くっ、こんな時にレイグル一家とは…」 おっちゃんは苦虫を噛み潰した様な表情になり、世紀末の様な格好の男達に囲まれる。 「いい加減よぉ、ここ捨ててくんねぇかなぁ?邪魔なんだよ、古臭ぇ!」 モヒカンの男が石斧を振り回す、その石斧がおっちゃんの頭に当たる寸前、間に俺が入り、受け止める。 「あのさ、何か用なら外で殺らねぇか?」 「なんだガキ…ブッ!?」 石斧を片手で握ると粉になって柄の部分だけが残る。 「な、な、な…」 「見てわかんねぇのか?破壊魔法だ」 すると世紀末の男達は逃げ帰り、三下クラスの捨て台詞を吐いて言った。 覚えてろ、と。 「おっちゃん怪我無いか?」 「怪我は無いさ、ありがとう…ッ!?」 「どうした?」 おっちゃんは指を指す。 俺は驚いた。 さっきまであった筈の鎧が無い、大事な鎧が無い。 「あいつら…!ルシファー!」 「わかっている、恭介」 音速を超える早さで店を飛び出した。
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