青銅の鎧って序盤から中盤にかけて使えるよね。

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そして次の放課後、俺は32枚目の反省文を書き終えて第一競技場に向かった。 「うむ、気になるから来たぞマスター」 「頑張るのですマスター!」 「恭介の好きなタコさんウィンナーの入ったお昼の弁当を忘れているぞ」 おい、一人お母さんが居るぞ? まぁいいか。 「あの娘か?」 アーサーが指差す、そこには鎖鎌を腰に携えたセリアが立っていた。 俺達は一番前の席で見学する。 まぁ当然、勇者の方にはビッチ集団が集まり、対するセリアの方には風紀委員会全員が静かに座っていた。 温度差が凄いな。 「因みに、恭介も人の事は言えんぞ」 「まぁな」 なんせ俺の隣と膝の上に座っている三人は伝説級の使い魔だからな。 多分世界征服なんて余裕だ 「マスター!始まりますよ!」 ◇ 「(何で俺が…クサナギじゃねぇの?)…これから決闘始めます、コイン落ちたら始めて」 アキラはコインを指で真上に打ち上げ、そそくさ隣とその場から逃げた。 コインが落ちた瞬間。 「はぁ!」 セリアが鎖を飛ばし、勇者を拘束する。 一気に自分に引き寄せ、勇者の身体は宙を浮いた。 「爆ぜろ!エクスプロード!」 最上級の炎魔法、セリアの右手から放たれる炎の奔流に勇者はなす術もなく飲み込まれ、セリアは一歩離れると鎖鎌を手放して左手に魔力を集中させる。 「ジャッジメント」 手放して左手を振り下ろすと天空から光の剣が落下し、炎に飲まれている勇者に直撃した。 「聖なる雷炎を!ホーリーボルテックス!」 雷の落ちた様な轟音と大爆発、セリアはフッ、と前髪を払うと土煙を眺めた。 「やったかしら?」 「まだだ!」 ◇ 「あーあ、フラグ立てやがった」 アキラは小さく呟き、前に座っている恭介が振り向き、言った。 「どうせなら覚醒フラグも立ててくれねぇかな?そうなったら育てんのも楽になるし」 「面倒なだけだろ?」 「ご明察」
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