青銅の鎧って序盤から中盤にかけて使えるよね。

18/36
前へ
/343ページ
次へ
「ボロボロじゃない」 勇者は見る限り傷だらけ、服もボロボロ。 恥ずかしいと思わない勇者は両手を天に突き出し、天を仰いだ。 「来い!聖剣デュランダル!」 すると大気が光の粒子に変化し、勇者の手元に剣の形を形成し、数秒としないうちに白銀の刀身、黒の柄に赤い鍔、成る程あれが勇者の聖剣か。 「むっ…?」 なにやらアーサーが疑問を浮かべている。 「どうした?」 「聖剣デュランダル…何処かで聞いた気がするぞ、何処かの英雄が使った剣、切れ味は私のエクスカリバーに劣らぬと聞く…」 アーサーの解説を聞いていると勇者はセリアに斬りかかった。 「…遅」 セリアはなんなく避け、回し蹴りを叩き込んだ。 流石風紀委員長、素人に負ける程甘くは無いか。 その後、勇者は何度も剣を振るうがどれもが素人の考えそうな事、振ってはカウンターをもらい、振ってはふきとばされる。 数分と立たない内に勇者は片膝をつき、セリアは微妙そうな面持ちでこっちを見ていた。 (勇者…よね?) (そうだ、何か可笑しいか?RPGの勇者ってのは最初はパーティで一番弱いんだぜ?) 俺はそう返してやった、するとセリアは、はぁー、と長い溜息を吐き、勇者の頭にかかと落としを決めた。 勇者は白目を向いて倒れ、アキラがそそくさとリングに上がる。 「勝者…えと…風紀委員長!(名前知らねぇんだよ!悪いか!)」 そうだ、アキラは名前知らなかったな、決闘が終わると俺は約束通り、魔法で脳内メモリを削除した。
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4590人が本棚に入れています
本棚に追加