大概勇者ってのはクズだ

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「準備いいか?」 俺は帝用の黒いマントに黒いマスク、気分は何処かのシスコン皇帝だ。 冗談だ。 「お前らは一応戻ってくれ、俺の中でなら喋ってもいいから」 「わかった」 「うん!」 「恭介がそう言うなら…」 「あっ、ルシファーだけは居てくれ、メイド除けに使うから」 「冥土…!?わ、わかりました…orz」 ルシファーは認識阻害の魔法を自身に唱え、アーサーとサタンは光の球になって俺の中に溶け込んで行った。 「行くぞ、転移」 「死ぬのかなぁ…?はぁ…」 二人は城に移動した。 ◇ 「来てやったぞ」 国王の魔力を探知して隣に現れる、国王は慣れているので余り驚かない。 「やぁ魔皇帝、すまないね、急に呼び出したりして」 「いや構わない、暇だったからな」 俺はルシファーの襟首を掴み、扉の方に投げる。 「ちょ!?ひぎゃぁぁぁぁ!?」 ルシファーファンのメイドにキャッチされ、連れて行かれた、何故なら執事が一人も城に存在せず、メイド達は執事に飢えているらしいからだそうだ 閑話休題 「それで何の用だ?依頼か?」 「まぁ依頼だね、…新しい魔王が現れた」 「放っておけばいいじゃないか、いざとなれば俺がいるんだからよ」 「放って起きたいんだけど…姫が攫われてね」 「…一大事だな、ほれ」 「あら?お父様?」 強制転移で国王の目の前に攫われた筈の王女を連れ出し、依頼終了。 「ティアラ?…魔皇帝は凄すぎるよ」 「それで他には?」 「…さっきまで姫を助ける為の勇者召喚をしてるんだけど…」 「やめればいい」 「それがね…もう終わりそうなんだ(笑)」 ハハハ、と国王は笑い、俺は溜息を吐いた。 「魔皇帝、君に勇者の教育を頼みたい」 「嫌だ…と言ったら?」 「君の使い魔、サタンと寝た、と言う記事を国中に掲示しよう」 「それは俺が犯罪者になるからやめろ」 「それに恩もあるしね」 「…本当嫌な奴だな」 「よく言われるよ、主に君から」 「そりゃどうも」 こっちの世界に来て何をすればいいのか迷っていた所、通りかかった馬車に救われ、三ヶ月の間面倒を見てもらった。 その恩があるせいで俺は断れなかった。
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