青銅の鎧って序盤から中盤にかけて使えるよね。

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◇ 「ぐはっ!?」 「うむ…、少しやり過ぎたか?」 既にアキラは満身創痍、剣を杖にして立つのがやっとになっていた。 (速過ぎて見えない…!) 一太刀振るえば10になって帰ってくる神速の刃、アーサーは汗一つ流さず、平然とそれをやってのける。 「やはり小回りがきかないのか…ブツブツ」 「な、何?」 アーサーはアキラを見るとエクスカリバーを鞘に納めてアキラの持つ大剣に視線を移して言った。 「同じ仲間の神帝剣なら前の聖剣に戻る筈だ、力を解放したままでは消耗も激しい」 「え?これは最初から…」 「私が推測するには、多分その剣には…、残り二つの解放を秘めている筈だ」 「二つの…解放?」 「一つはわかっている、元の形、聖剣、そして神帝剣の上にもう一つの解放がある」 アーサーは居合いの構えをとり、エクスカリバーの柄に手をかける。 「神王剣…解放」 パァン!と弾ける音と共に辺りは光に包まれ、アキラが目を開けると。 「凄い…!」 そこには黄金の剣と黄金の盾、深蒼の鎧を纏ったアーサーが立っていた。 「神装アヴァロン、これで戦った経験があるのはマスターと魔王のみだ」 すると装備は光の粒子になって霧散し、いつもの青銅の鎧を纏ったアーサーに戻った。 「クサナギと…魔王…!?」 「マスターにはこれで手も足も出なかった、ルシファーには勝てたのだが…今でも本気の本気で負けたのは悔しい」 改めてクサナギの強さを再認識した、敵に回すのは絶対にやめよう。 「先ずは一段階前の状態に戻…「いや」…ん?」 「俺は上を目指したい!」 上を目指してコイツを使いこなす、折角ゼウスから貰ったんだ、期待に応えたい。 「マスターのバカがうつったか?まぁいい、なら先ずは剣の気持ちを理解しろ、目をつむって剣に意識を集中させろ」 俺は言われた通り目を瞑って剣に意識を集中させる。 絶対に…強くなる。
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