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◇
「どうだ?そっちは」
「マスターか、あの少年は中々根性がある」
「そっちは捗りそうだな、こっちは基礎から組み上げないと、全く大変極まりねぇな」
俺はハハハと笑う、アーサーも微かに口角をつりあげて笑っているように見えた。
「初めて会った時のマスターを思い出すな」
「初めて?そういや全部力技だったな…、今思うと危ない戦い方してたよなぁ…」
あの時はどんな傷でも治せる魔法を使いまくってたな、生傷が耐えなかったし、何度も死にかけては魔法で回復して生き延びてた。
無茶で無謀な戦い方ばっかりだ。
「今はちゃんと考えて戦ってるから大丈夫だ」
「そうだな、でなければ一人で天界や魔界の軍勢と戦って勝てる筈がない」
その戦いは一滴の血も流さずに勝利した。
「多分死んでるな、いくら最強の肉体と言えど血を流し続けたら死ぬ」
俺は満身創痍の状態で瞑想しているアキラの傷をそっと癒し、勇者の方には集中出来るように防音結界も張っておいた。
「さて、戻るか」
「私も訓練に戻ろう」
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