青銅の鎧って序盤から中盤にかけて使えるよね。

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◇ 「おかえり」 寮に着くとルシファーが洗濯物を畳んでいた。そして神速でアーサーが転がりながら自分の洗濯物を奪い、顔を俯かせて赤くなった。 「アーサー…、毎回言うが俺は下着なぞに興味は…グボォ!」 ルシファーが窓を破って転落し、アーサーは自分の洗濯物を取ると自室に閉じこもった。 なら一緒の洗濯カゴに入れるなよ するとベランダからルシファーが翼を羽ばたかせて戻ってきた。 「くそっ、もう少し俺に力があれば…」 「無理だぞ、アーサーは元勇者なんだから、相性は最悪だろ?」 「くっ…!」 混ざり合わない属性、そんなもんかな。 とりあえず畳むか… 黙々と畳み続けているとルシファーが喋り出した。 「そういえばサタン、今日は魔界で何をしてたんだ?」 「えと…新しい魔王が産まれたらしいよ、魔力量をチラッと覗いたらマスターと同じだった」 「俺と同じ…?」 バカ言え、俺の魔力はほぼ無限なんだぞ、転生者とかでも無いと無理に…、もしかして 「そいつの名前って?」 「えとね…確か…、ツサ…?ツカサだ!」 ツカサ…、知り合いじゃないが名前からして多分転生した人間かも知れない。 「女の子だったよ?」 「女子!?」 名前が男だと思ったぜ…、世界は広いな。 でもまぁ…、少し気になるから見に行くか。 「サタン、ルシファー、今から魔王の所に行くぞ」 「魔王の所に…?喧嘩か?」 「馬鹿野郎、んなわけあるか(笑)」 「じゃあ何で?」 「気になるから、もし狂ってる様な奴だったらこっちの世界が危ないだろ?それに二人の顔があれば簡単に城に入れる」 「そう言う事か、アーサーはどうする?」 ルシファーはアーサーの部屋を一瞥すると聞いて来た。 「あんな状態じゃ無理だろ、留守番だ」 すると部屋からアーサーが半分顔を出し、じとっ、と俺を見た。 お菓子を買って来い、と言わんばかりに。 俺は敬礼し、二人を連れて転移した。 「マスターも使える様になったな」
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