アーサーのお菓子か魔界の王になれる、どっちを選ぶ?

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◇ 都華咲は落ち着きを取り戻すと元のソファに戻った。 「ここに来る前、私は高校の友達と帰っていたんです」 え?ならこの子は高校生なのか?見た所俺の腰の位置に頭があるぞ!? 「あっ!身体はこっちに来たら変わってて…変な誤解してませんか?」 「していた、幼児体型にも程がある」 「お、おい恭介…、それは言ったらダメな気が…」 「あ」 都華咲はズーンと言う音が聞こえそうなくらい沈んでいた。 余程気にしてたのか。 「ま、まぁそれはおいといて、どうなったんだ?」 「はい…、それで友達と別れて一人で帰ってたら知らない男の人に…」 言えないくらい残酷な殺され方をしたんだろうな、多分恨みを買う様な事は無い筈、最高神の話も聞いて合わせてみると。 犯人の神が普通の人間を操り、そして都華咲を殺した、その死んだ都華咲の魂に邪神が取り憑いた。 待てよ?何故その犯人の神は邪神に取り憑かせようと?奴以外にも…黒幕は他に居るって事か。 「どうかしました?」 「いや、なんでもない」 俺は無意識に都華咲とサタンを比べていた。 背は同じくらいか… それはおいといて。 「力とかは貰ってんのか?」 「いえ、何も…、気付いたらここに」 「なら普通の人間か」 「はい…」 魔王の力が無いって事は邪神が送り込まれただけって事、もう都華咲には用は無いって事か。 「悪いが元の世界には戻れない、昔、俺も試したが無理だった」 「そうですか」 都華咲は再びズーンと暗くなる、まぁそんな身体になって魔王になるなんて…あれ?もしかして魔王って幼女が多い? 関係無いな。 「力もなんも持ってない魔王なんて何の役にも立たないだろうな、多分力が無いのがバレたら城に居れなくなるぞ」 魔王なんて本来は魔界で一番強い奴がなる職業みたいなもんだからな、代わりなんていくらでも居る。 「なら私はどうすれば…」 「もう都華咲は魔族なんだ、人間じゃないっては確かだ」 「えぇ…」 三度目のズーン、見てて可哀想だな…、とは言え俺の寮で住むとなると部屋が足りないし…それに魔族だから偏見が凄い…、下手すれば簡単に殺される。 「あっ!」 「どうしたんですか」 諦めきった目で俺を見る都華咲、大丈夫だ気を落とすな。 「住む所はあるぞ」 「ほぇ?」
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