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「前は急げだ、ルシファー」
「あぁ、悪いが担ぐぞ」
「えっ?ちょ…きゃっ!?」
ルシファーは肩に都華咲を担ぎ上げ、俺達は玉座のある部屋に向かった。
そこには偉そうな魔族達が居た。と言うかルシファーがこうなる事を予想してた様にしか思えないんだが…
「フフフ…」
「ひゃめひぇくだひゃい!」
ルシファーは意地悪な笑みを浮かべて都華咲の頬を引っ張ったりしていた。
ルシファーは意外とSなのかも知れない。
「おーい、魔族の皆さん」
一人が代表して出てきた。
「なんだ?魔王様を早く降ろし…」
「その事だがこの魔王は魔王をやめたいらしい、理由ならある」
俺は都華咲のステータスを数値化した物を皆に見えるように公開した。
「きゃぁぁぁ!?ちょ!隠して!それはダメ!てか何で!?」
「ま、魔力が…0!?そんなバカな…」
「理由はそれだけじゃない、これも理由の一つだ」
全ての会話を記録した水晶を手渡し、俺はバイバイ、と一言いってから転移した。
◇
「ルカー!」
「はーい、あれ?恭介さん?おかえりー!」
おいおい、その答え方はまるで俺とルカが同棲してるみたいじゃないか、いや同棲したいけども。
「こいつは都華…、ツカサって言うんだ、部屋に空きがあるなら住ませてやってくれないか?」
「どういう事~?」
状況説明。
「そうなんだ、いいよ!」
するとルカはぬるっとツカサに絡みつき、ツカサは顔を赤くして慌て出す。
「女の子同士仲良くしようね!」
「は、はい…!でもちょ…絡むのは…やめっ…!」
アキラが見たら死ぬだろうな、もしくは助け出して死ぬかの二択だ。
「また遊びに来る、ツカサをよろしくな」
「待って!」
ツカサが俺を引き止め、じっと見てくる。
「一緒には暮らせないの?やっぱり元の世界と同じっていうのは心強いし…それに…一人だと不安だし…」
…参ったな、そこまで気は回らなかった。
どうする…
「恭介、いっその事寮の部屋とこなの家の玄関を空間接続したらどうだ?」
要するに、某猫型ロボットのどこでもドアにしてしまえ、それならいつでも会えるだろう、という事か。
「そうするか」
俺に不可能は無い、というか今気付いたんだがルカとツカサで暮らすのは不安要素がデカすぎる。
そして…、俺の寮部屋には家が存在すると言う不可解な事が実現する事になるな。
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