第1章

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スカウター越しにワナビを見る。 「どれどれ……属性【ボクっ子】、【ボクっ子レベル」……2。  属性【文学少女】、【文学少女レベル】……1。……ひでぇな」 どちらを伸ばすとかそういうレベルじゃないぞコレ。 「う、なんだかわからないけどショックだよー」 「そう気を落とすな。とりあえずボクっ子でも極めてみるか?」 うな垂れるワナビに俺は優しく声をかける。 ワナビの外見からじゃとてもじゃないが文学少女は難しい。 やはり文学少女といえば黒髪で原稿を食べるようなやつや、無口な対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェイスでないとな。 「ふぇ? なんだかよくわからないけど、何をすればいいの?」 「うむ、とりあえず口癖を『うぐぅ』にするといい」 「うぐぅ、こんな感じ?」 結構乗り気だな、コイツ。 「いい感じだぞ。じゃあ俺はその口癖の偉大な先駆者に敬意を表して、お前のことはワナワナと呼んでやるからな」 「うぐぅ、ワナワナじゃないもん」 おお、すげえ。いい感じだ。
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