53人が本棚に入れています
本棚に追加
/205ページ
心当たりがあるみたいだ。
「その人のことだ。どこにいる?」
「確証ないのに確信するな」
「じゃかましい。で、ワナビ。どうなのだ?」
「うーん、たぶん本棚の向こうにある自習コーナーにいると思うよ」
なるほど。ワナビは自習とは縁がないようで、思い出すのに時間がかかっていたのか。
「情報感謝する。では、行くぞ!」
張り切って、本の森へと足を進める。が、
「どうしたワナビ、早く来い」
ワナビがついてきていなかった。
まあ当初のメンバーではないので、一緒に行くのもおかしな話なのだが、今の流れなら一緒に行くだろ常識的に考えて。
「ごめーん、ボクは図書委員だからここを動くわけにはいかないんだよね」
申し訳なさそうにワナビが言う。
「む、ならば致し方あるまい。いくぞ、蝶。ワナビのためにも俺たちが進むのだ!」
「本人はそんなの望んでなさそうだけどね」
図書室なので一応小声で軽口を叩きながら、知識の泉の最奥部へと進んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!