第1章

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心当たりがあるみたいだ。 「その人のことだ。どこにいる?」 「確証ないのに確信するな」 「じゃかましい。で、ワナビ。どうなのだ?」 「うーん、たぶん本棚の向こうにある自習コーナーにいると思うよ」 なるほど。ワナビは自習とは縁がないようで、思い出すのに時間がかかっていたのか。 「情報感謝する。では、行くぞ!」 張り切って、本の森へと足を進める。が、 「どうしたワナビ、早く来い」 ワナビがついてきていなかった。 まあ当初のメンバーではないので、一緒に行くのもおかしな話なのだが、今の流れなら一緒に行くだろ常識的に考えて。 「ごめーん、ボクは図書委員だからここを動くわけにはいかないんだよね」 申し訳なさそうにワナビが言う。 「む、ならば致し方あるまい。いくぞ、蝶。ワナビのためにも俺たちが進むのだ!」 「本人はそんなの望んでなさそうだけどね」 図書室なので一応小声で軽口を叩きながら、知識の泉の最奥部へと進んでいく。
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